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有限会社デコルテ 2022

新感覚の履き心地を提供する、デコルテ初のオリジナルブランド

1983年に設立したデコルテ。他メーカーとは異なる発想や感性を持って歩んできた中、創業40周年の節目を前に新たな一歩を踏み出す。クライアントから厚い信頼を得ている確かな技術と斬新なアイデアを活かし、バレエシューズをベースにした初のオリジナルブランドを始動させたのだ。デコルテだからこそできること——、それを具現化し時流に沿った提案で、履く人を素敵なライフスタイルへと足元から導いてくれる。

他と一線を画す、ファッション性に優れた靴作り

浅草の地にデコルテの看板を掲げた田中正雄社長。創業前は、海外シューズブランドを輸入販売する企業で営業として活躍していたそう。当時は徐々に増え始めた原宿のセレクトショップとも取引があったが、海外製より日本製の革靴を要望する声が田中社長のもとへ多く届いていて、その声に応えるべく奔走した結果こそが、デコルテの起源にあると話す。「国産の良質な革靴を求めていろんなメーカーを当たりましたが、なかなか理想的なものに出会うことができませんでした。結局、無いなら作ればいい、という発想で起業することに。私は営業あがりで革靴を作れなかったので、腕のいい職人を募ったのがデコルテの始まりです」。その頃は大手ブランドのOEMを製造したり、自社ブランドを百貨店に卸したりする生産メーカーがほとんどで、アパレルショップに向けて販売しているメーカーは珍しかったそう。幼少期からオシャレが好きで、何度もフランスやイタリアを訪れていた田中社長。その経験がファッション性に重きを置いた靴作りに活かされ、感度の高いセレクトショップに受け入れられたようだ。「靴も洋服も文化での一部であり、単品では成立しません。それを考えずとも自己表現している海外のかっこいい人たちを見て、憧れていました。そんな自分の好みを反映した靴作りが基盤にあります」。

自社を代表するバレエシューズを元にして

数々のブランドやセレクトショップのシューズを生産してきたデコルテ。紳士靴か婦人靴のどちらかに特化しているメーカーが多い中、以前からその両方を生産し、カジュアルでファッション性の高いシューズを得意としてきた。その革新的デザインのアイデアは、日本を代表するブランドにも認められ、パリコレの舞台に上がった靴を手がけたこともあるそう。そんなデコルテが作る靴の中で、特に自信を持っているのがバレエシューズ。15年ほど前から作り始め、年間1万足も手作業で作り上げている。それこそが、デコルテ初となるオリジナルブランドのヒントになったと田中佳李取締役は話す。「セレクトショップオリジナルのバレエシューズを作っていて、それを購入した友人が、『すごく履きやすい。もっといろんなバリエーションのデザインで欲しい』と言ってくれました。ちょうど会社設立40周年を前に、新しいことに挑戦しようと考えていた矢先だったので、バレエシューズの技術を生かした靴を作ることにしました」。

技術とこだわりを詰め込んだオリジナルブランド

こうして誕生したジェンダーレスのオリジナルブランド〈ジュトメンヌ(Je t’emmène)〉。フランス語で“連れて行ってあげる”を意味するブランド名は、フランスのことわざにある、“素敵な靴は素敵な場所に連れて行ってくれる”から引用した。ファッションのルーツはフランスにあり、ファッション性の高い靴を作り続けるデコルテらしいネーミングだ。

最初にローンチするのは、JAZZフラットシューズ。新感覚の履き心地を実現するために数々のこだわりを詰め込んでいる。

足を通してまず驚くのは、ソックスを履いているかのようなフィット感。厳選した国産の柔らかい革が用いられ、どんな足の形状も優しく包み込む。そして、バレエシューズにも用いている、中底を使わないボロネーゼ製法によってソールの高い屈曲性を実現。その設計は特殊で、革の個体によって伸び方が若干異なるため、機械ではなく職人の手作業で加減しながら釣り込み、ふんわりと仕上げている。その職人技は、現在の浅草製靴産業においても貴重なものであり、技術を伝承していきたいという思いも込めているとのこと。本底にはビブラム社の軽量なソールを使用しているのでグリップ力にも優れ、歩きやすさも抜群だ。

そして、もちもちとした履き心地が最大のこだわり。高反発のスポンジ素材が、中敷と本底の間に2枚も入っているので衝撃吸収性に優れ、屈曲性もあいまって足への負担が軽減される。一般的なOEMではコストが割高になってしまうため、スポンジ材を2枚も使うことはあまりないが、メーカーのオリジナルブランドだからこそできる仕様だ。こうして、スニーカーともパンプスとも違う、新感覚の履き心地を実感できるJAZZフラットシューズが完成した。

この靴をきっかけに浅草の革靴を広めたい

デビューに先立ち、クラウドファンディングで先行受注を開始したところ、予想以上の大反響を呼んだJAZZフラットシューズ。快適な履き心地の他、一枚革を使ったシンプルなデザインがどんな着こなしにも合わせやすく、汎用性を求める現代のニーズにもマッチする。軽量で、芯がないため型崩れを心配することなくコンパクトに持ち運べるので、旅行や出張の際にも最適である。田中佳李取締役は、ジュトメンヌに込めた思いをこう話す。「発売前から期待の声が届いているので、今後もコンセプトを変えず、新しい型を増やしていこうと考えています。そして、この靴をきっかけに、タオルだったら今治、眼鏡だったら鯖江、デニムだったら児島といったように、革靴だったら浅草という認知度を高めて、業界を盛り上げるのが大きな目標です」。

繊細な力加減が必要な手作業の釣り込みは、まさに職人技。これによって、ふんわりとした柔らかい雰囲気が醸し出される。
細かい分業制をとらず、それぞれの工程を専門の職人が担当。一足を一人が責任を持って仕上げる。
ファーストコレクションは、ブラック・ホワイト・オレンジ・シルバー・グリッターの5色で展開。
デコルテがこれまでに製作してきたサンプルの数々。婦人靴を中心に、紳士靴も洒落たデザインで仕上げている。