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パイロットシューズ株式会社 2022

“マスカスタマイズ”で個性を引き出すパイロットシューズ

パイロットシューズは1950年に浅草でさくら製靴として創業し、最盛期には社内で1日650足、外注も含めると1日920足もの婦人靴を生産していた、実績と歴史のあるメーカーだ。そんな同社が2018年にはオリジナルブランド〈ウィステリアフジワラ(Wisteria Fujiwara)〉を立ち上げ、浅草にて旗艦店も展開している。歴史あるメーカーが確かな技術やマスカスタマイズという概念のもとで手掛けているのは、女性を輝かせる、その人だけのオンリーワンな1足だ。

ひとりひとりに寄り添うような丁寧なもの作り

ウィステリアが意味するのは、藤の花。“優しさ”・“歓迎”・“忠実”を花言葉に持ち、そのひとつひとつを靴で表現するべくブランド名に採用した。「真の美しさは外見だけではなく心身の健康があってこそ引き出され、その内外による美しさが、かけがえのない個性を輝かせると考えます」。そう話す藤原 仁社長は、東都製靴工業協同組合では理事を、全日本革靴工業協同組合連合会や一般社団法人 日本皮革産業連合会などでは会長を務め、国内シューズ業界の発展を図っている。そんな藤原社長が〈ウィステリアフジワラ〉で掲げるコンセプトは、“最幸の靴体験”。それは、女性ひとりひとりの個性が輝くことを願った靴作りにある。

〈ウィステリアフジワラ〉のラインナップは、パンプスからスニーカーまで幅広い。靴と向き合う姿勢は創業当時から変わることなく、現在は長年かけて技術を伝承した30〜50代の職人が中心となり、緻密な設計と高い技術力によって、足にフィットして美しく見せる靴を仕上げている。そして、さらなる履き心地を実現するために、オーダーメイドを受け付けているのが〈ウィステリアフジワラ〉の特徴だ。創業から70年以上もの歴史で培ってきた熟練の技を駆使して、自身の足に最適なサイズであつらえてくれるのだ。そんな唯一無二の靴には愛着が湧き、履く人の個性を存分に発揮する“最幸の靴体験”を提供してくれることだろう。

履き心地のカギを握るサイズの選定

〈ウィステリアフジワラ〉のオーダーメイドシューズは、〈i/288(ニーハチハチブンノアイ)〉を利用して製作する。〈i/288〉とは、16サイズの足長と、9サイズの足囲と、2種類の形を組み合わせた計288サイズから靴型を選び、自身の足にぴったりの一足を製作してくれるサービスだ。JIS規格で規定されている日本人女性の靴のサイズは144種類だが、一般的に販売されている既製靴のサイズはその一部のみ。きっと普段選んでいるのは最適なサイズではなく近いサイズであって、ちょうどいいと思っていても、実はもっとフィットするサイズがあるかもしれない。サイズを選ぶ指標は、足長を基準にするのが一般的となっているが、足幅や足囲(ウィズ)も肝心。足囲もきちんと合わせることで安定し、歩きやすくなって足を痛めにくい。そして、足の形が左右で異なる人も多く、既製靴では左右のサイズを微妙に変えることはできないが、〈i/288〉ならそれを叶えてくれる。

満足度を高めるマスカスタマイズという形

〈ウィステリアフジワラ〉の直営店では、足のサイズを計測し、ひとりひとりの足に合った靴を注文できる。日本では一般的に認知されているオーダーメイドを、パイロットシューズでは欧米で認知されている“マスカスタマイズ”と呼ばれるスタイルを提唱しているのが大きなポイント。マスカスタマイズは、まず足や靴に関する悩みなどを聞くカウンセリングから始まり、実際に足の状態を見ながらサイズを計測。その数値をもとに、膨大なサイズバリエーションを用意しているフィッティングサンプルの中から、最適なものを試着して履き心地をご確認いただくことで、お客様にとってカスタマイズ以上に安心してご購入いただける。靴職人としての経歴を持ち、専門の資格を有するシューフィッターも在籍するので、今後の靴選びの参考となる新たな発見を得られることも期待できる。フィッティングサンプルを選んだら、革やスポンジのパッティングで微調整を施し、自身の足にぴったりなサイズが決定される。靴のデザインは、店頭に並んでいるサンプルをもとに素材や色を好みにカスタマイズすることも可能だ。オーダーから約5週間で商品は完成。引き渡しの時にもフィッティングを行い、さらに微調整してくれるから安心できる。これこそが、パイロットシューズが提唱する“マスカスタマイズ”の概念そのものであり、オーダーメイドとの違いと言えるだろう。

足のサイズを把握してサスティナブルな靴選びを

今となっては通信販売で靴を買う人も増えたが、サイズが合わずに返品される割合が多いそうだ。しかし、自身の足のサイズを計測してしっかりと把握すれば、その手間を解消できる。「通販を利用した返品交換ありきの靴の購入は、無駄な物流が生じて環境にも悪いと思います。〈ウィステリアフジワラ〉も、返品のないECの仕組みを考えているところです」と藤原社長。さらに、オーダーメイドの一足は、履き心地がいいだけではなく余剰な在庫を減らせるため、限りある資源を有効に活用できるという側面もあるので、靴に関わるすべてにとって利点が多い。靴の選び方ひとつで、サスティナブルな社会に一役買うことができるのだ。それもまた、“最幸の靴体験”に含まれている。

上品さを漂わせる店内。並んでいるシューズからオーダーメイド可能で、一部は在庫もあるのでサイズが合えば即購入可能。
靴作りで生じた端材を使用して、レザー小物も制作。上質な革は長く愛用でき、コーディネートのアクセントに映えるデザイン。
創業当時の工房と、以前構えていた直営店の写真が店内に展示され、パイロットシューズの長い歴史を感じさせる。
〈i/288〉のフィッティングサンプルの一部。足長と足囲の微妙な違いが、極上の履き心地を生み出す。
専門的な知識を持つスタッフによって、足のサイズを計測。詳細な数値を知ることで靴の選び方が変わり、快適性を高められる。
〈ウィステリアフジワラ〉を通じて、国内製靴産業と地域の活性化に尽力する藤原 仁社長。