色気を醸し出すこだわりの木型と高級レザー
1985年に創業し、高い技術と丁寧な作業でシューズメーカーやアパレルブランドなどの生産を担ってきたビナセーコー。その経験をもとにして、2006年にオリジナルブランド〈ペルフェット〉を立ち上げた。イタリア語をブランド名に採用しているだけあって、作るデザインはイタリアを彷彿とさせるシャープなデザイン。その佇まいは上品さを漂わせ、履く人の足元に色気を演出するドレスシューズを展開している。ラインナップは合わせやすいスタンダードなモデルを軸に、厚さ1mmほどの革に糸を通すスキンステッチや縫い糸を隠すレベルソ仕立てなど、高難易度の職人技で他との違いを感じられることだろう。そして、使用しているレザーはイタリアのイルチア社やゾンタ社を始め、フランスのアノネイ社、イギリスのチャールズ・F・ステッド社など、ヨーロッパの有名タンナーから直接仕入れて使用しているため、世界中で人気の高級革靴に引けを取らない出来栄えとなる。
長く愛用して育てる自分だけの一足を
〈ペルフェット〉のシューズに対するこだわりは、他にも数多い。モチーフにしているイタリアのドレスシューズは、マッケイ製法やボロネーゼ製法が多く採用されているが、〈ペルフェット〉が用いるのは、アメリカやイギリスで作られるイメージが強いグッドイヤーウェルト製法。なぜかと言うと、グッドイヤーウェルト製法は履き込むほど中底とコルクが足に馴染み、靴底が擦り減れば交換できるので、長く愛用してもらいたいという思いが込められている。重量感のある無骨な見た目で仕上げられるものが多いグッドイヤーウェルト製法だが、〈ペルフェット〉は履き心地の良さを追求した木型を使い、他とは一線と画すエレガントなシルエットに。その完成度の高さは、視察に訪れたイギリスの老舗シューズメーカーも唸るほど。見た目の美しさと快適な履き心地は、世界に誇れるポテンシャルを放っている。
メイド・イン・ジャパンを海外へ発信
実際に〈ペルフェット〉は、イタリアで毎年2回開催されているメンズファッションの世界的な展示会『ピッティ・イマージネ・ウオモ』に、10年ほど前から出展していた経歴を持つ。海外では〈ペルフェット〉を日本語に訳した〈完璧な〉というブランド名で展開し、〈ペルフェット〉のベーシックなドレスシューズとは異なる、キャッチーなデザインのシューズもラインナップ。〈完璧な〉はフランスでも販売され、何足も所有するファンも多いそう。美しいシルエットと堅牢で快適な履き心地を高次元で融合させた〈完璧な〉の一足で、メイド・イン・ジャパンの魅力を今後もさらに発信し続ける。
ユーザーとの距離を縮めるショップをオープン
2021年7月には、〈ペルフェット〉のサンプルや規格外品などを販売する〈エムズシューファクトリーアウトレット(M’S SHOE FACTORY OUTLET)〉を千葉県松戸市にオープンした。サイズのバリエーションは限られているものの定価より安く購入できるため、革靴に興味を持ち始めた人や若い人たちから好評を得ている。アウトレットとは言え、履き心地の良さは変わらないので、〈ペルフェット〉を選ぶきっかけとしても履き心地を確かめやすいのは嬉しい限り。そして、これまでは小売店に卸すことがほとんどだったが、ショップを構えたことでブランドとユーザーが直接触れ合い、新たな発見や化学反応が起こる場所としての存在価値にも。これからも時代のニーズに呼応しながら、より良い履き心地の革靴を提案してくれる〈ペルフェット〉から目を離せない。