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有限会社菅生製靴 2022

菅生製靴の独自開発によって、革靴が唯一無二の表情に

1964年に東京・足立区の西新井で創業した菅生製靴。メンズシューズのOEMを生産し、全国の百貨店や靴の専門店、アパレルのセレクトショップなどで取り扱われている。エレガントな雰囲気が漂う佇まいは、丁寧な手仕事と仕上げだからこそのクオリティ。作業に無駄がなく、手間を掛ける部分は徹底的にこだわって時間を費やし、美しく仕上げている。

長年の経験をもとに作る上品なドレスシューズ

創業者である会長は、底付け以外を手縫いで仕上げる、九分仕立ての職人として靴作りをしていた経歴を持つ。その当時から会長とともに靴作りをしていた職人が今も現場に立ち、熟練の腕を持って製作し続けている。他にも長く勤めているベテランが多く在籍し、手慣れた手つきで素早く作業する姿が印象的だ。

菅生製靴が作るのは、OEMの紳士靴。ドレスシューズを中心にカジュアルに履けるデザインも手掛け、全国の百貨店を始めとした良質な靴を揃えるお店で取り扱われている。日本人の足に合った木型を使用してマッケイ製法で底付けし、快適な履き心地の一足を作り上げるのが特徴。そして、菅生製靴の特徴に挙げられるのは、ヨーロッパの高級紳士靴と遜色のない美しい表情を見せる、仕上げの技術の高さにある。

手間暇を惜しまない手仕事だからこそのクオリティ

菅生製靴の仕上げは、一言で言うと手が込んでいる。特筆すべきは、何層にも塗料を重ねて独特なムラ感を出すパティーヌ仕上げ。まず、パティーヌ仕上げには、姫路のタンナーと協力して開発したオリジナルレザーを使用。革が塗料を吸いすぎると表面がシワになってしまうため、絶妙に染まるレザーを高い鞣し技術で完成させた。さらに下地塗料も菅生製靴のオリジナル。そこに重ねるパティーヌ仕上げの塗料はフランスのものを採用し、何層にも染め上げたら、同じくフランス製の保湿クリームを塗る。そして、最後に鏡面仕上げまで丁寧に行うことで、他の革靴とは違った表情のムラ感と、上品な光沢感が表現される。工程数は他のメーカーと比べると多いほうだが、手間を掛けて一足ずつ確実にいいものに仕上げるのが菅生製靴の魅力だ。一般的にパティーヌ仕上げは量産が難しいが、効率を追求したシステム化によって通常の数倍もの数を生産できる体制となり、手頃な価格も実現。自身で手入れすることによって、また異なるエイジングも堪能できる。他の人と似たデザインを避けたい人や、シューズボックスに控える革靴のバリエーションを増やしたい人におすすめしたい。

そしてパティーヌ仕上げ以外に、オリジナルの仕上げも開発した。それは、完成した革靴を一度真っ黒に塗り、アルコールで落としていく仕上げ方。表情豊かなムラ感を放ち、パティーヌ仕上げとは別の魅力を感じられる。塗料屋を巡りながら勉強し、試行錯誤を繰り返して編み出した方法だ。

最先端のシューズを作るための新しい取り組み

そんな職人技と独自の技術を持って靴と向き合う菅生製靴は、いい意味で現状を維持しつつ最大限の力を発揮できるように、基盤を固め続けている。その上で新たな挑戦として構想しているのは、オリジナルブランドの設立。今のOEMで生産しているものとテイストとが異なる靴を作り上げようと、日々トライ&エラーを繰り返しながら次なるステップへ繋げているとのこと。それ以外にも別の業種と連携した新たな取り組みを企てていたりと、そこには少人数で切り盛りする昔ながらのメーカーが、「最先端のいいものも作っていきたい」という、まさに伝統と革新への強い思いがある。

職人の年齢層は幅広い。今後も高品質な革靴を作り続けるために、技術を継承しながら靴作りに励んでいく。
イタリアのシューズをモチーフにした靴作りを行うため、マッケイ製法を採用。修理しながら使えるので一生付き合いたい。
一足一足丹念に仕上げ作業をこなしていくのが菅生製靴の魅力。その最終工程が足元に存在感を示してくれる。
パティーヌ仕上げによる独特なムラ感は、高い技術が必要。濃淡の色味はレザーの魅力をより引き立ててくれる。
ショールームには、現在製作しているシューズがずらりと並ぶ。OEMは少ロットでも受け付けているそうだ。